治療について
受け口(反対咬合)の治療のしかた
正常咬合では上の歯は下の歯より少しだけ外側に咬みます。
これが逆になるのが受け口で、前歯だけの場合と奥歯も逆になる場合があります。
これが逆になるのが受け口で、前歯だけの場合と奥歯も逆になる場合があります。
前歯だけが逆のタイプ
前歯も奥歯も逆のタイプ
片側の奥歯が逆のタイプ
子どもの受け口の治療
成長を利用して治療します。
受け口の背景には上あごと下あごの大きさのバランスの悪さがあります。
上あごが後ろに下がっていたり(上あごの劣成長)、下あごが前に出過ぎていたり(下あごの過成長)、あるいはその両方がある場合があります。
上あごの成長は11〜12歳頃には終わり、その後身長が伸び続ける間、下あごが成長をし続けます。すなわち思春期性成長期にぐんと下あごが成長するため、それまでに上あごと下あごの大きさのバランスを整えておくことがとても重要です。
大人の受け口の治療
歯の移動だけでは上の前歯が下よりも前に来るようにするのは可能ですが、顎が出た感じは解消できません。
顎が出た感じまで改善するためには外科矯正治療が必要になります。
使用装置:
マルチブラケット装置
出っ歯(上顎前突)の治療のしかた
出っ歯は大きく2つのタイプに分類されます。
上の前歯が前に飛び出して下の前歯
との距離が大きいタイプ
笑うと上の前歯が目立つ、口を閉じにくい、
口を閉じると口元が緊張する
との距離が大きいタイプ
笑うと上の前歯が目立つ、口を閉じにくい、
口を閉じると口元が緊張する
下の歯が見えないくらい上の歯が
覆いかぶさっているタイプ
覆いかぶさっているタイプ
子どもの出っ歯の治療
成長を利用して治療します。
出っ歯の歯並びは前歯だけ出ているわけではなく、奥歯も前後にずれているケースがほとんどです。
上の歯列が前に出過ぎているケースは少なく、多くの場合が下あごが後ろに下がっていること(下あごの劣成長)に由来します。
大人の出っ歯の治療
前歯の位置を移動させて治療します。
※下あごが極端に小さすぎる場合(小下顎症)は、外科的に下あごを前に出す治療が必要になることがあります。
使用装置:
マルチブラケット装置
でこぼこ・八重歯(叢生)の治療のしかた
でこぼこ・八重歯の原因はディスクレパンシー(歯の大きさと歯槽骨の大きさの不調和)にあります。
※歯槽骨とは歯が生えている土手の骨のことです。
※歯槽骨とは歯が生えている土手の骨のことです。
正常
ディスクレパンシー
歯槽骨の大きさ
歯の大きさ
前歯が直立して叢生の程度が強いタイプ
口元の形はすっきりしている
口元の形はすっきりしている
前歯が前傾して叢生の程度は弱いが
口元が出て見えるタイプ(上下顎前突)
口を閉じにくい、口を閉じると口元が緊張する
口元が出て見えるタイプ(上下顎前突)
口を閉じにくい、口を閉じると口元が緊張する
子どものでこぼこ・八重歯の治療
子どもの場合は、成長期間に歯槽骨の横幅、前後的長さが大きくなるように成長誘導します。
でこぼこは永久歯が生え揃ってからはり金の装置(マルチブラケット装置)できれいに整えます。
大人のでこぼこ・八重歯の治療
大人の場合は、最初からマルチブラケット治療を行います。
歯槽骨に歯が並びきれない場合や口元を引っ込めたい場合は歯の本数を減らして並べます。
使用装置:
マルチブラケット装置
口腔筋機能療法とは
歯ならびや顔つきの問題の多くは、生まれつきというよりは、乳幼児期からの呼吸や発声、そしゃく、えん下などの機能がどのように発育するかによって大きく影響を受けます。
顔面とお口の骨格や筋肉が発達する成長期に、何らかの原因で筋機能が健全に発育せず、歯ならびや顔つきに問題が表れた場合に、それらを健全な発育過程へ戻そうと働きかけるのが口腔筋機能療法(MFT)です。
当院ではMFTのトレーニングにとても力を入れています。
顔面とお口の骨格や筋肉が発達する成長期に、何らかの原因で筋機能が健全に発育せず、歯ならびや顔つきに問題が表れた場合に、それらを健全な発育過程へ戻そうと働きかけるのが口腔筋機能療法(MFT)です。
当院ではMFTのトレーニングにとても力を入れています。
- ・鼻呼吸の確率と口蛭の閉鎖力の向上
- ・異常な舌位とえん下の改善
- ・そしゃくの質と量の改善
- ・口腔周囲の悪習癖の解消
装置一覧
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
〇発達期の治療
1.
取り外しできる装置を使用した場合、最初は違和感や不快感がありますが、数日~1、2週間で慣れ、その後は概ね無くなります。
2.
取り外しができる装置では、使用状況が大きく治療結果に影響します。また生体側の反応には個人差があるため、効果にも個人差があります。
3.
取り外しができない装置では、違和感や歯に痛みが生じることがありますが、数日~1、2 週間で慣れ、その後は概ね無くなります。
4.
取り外しができない装置では、歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まります ので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。
5.
取り外しのできない矯正装置が破損した場合、誤飲する可能性があります。避けるべき食品や繰り返し手で触れないなどの注意事項を遵守しないと、破損のリスクが高まります。
〇マルチブラケット治療
1.
最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いです。
2.
歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
3.
装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
4.
治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まります ので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと 隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
5.
歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がること があります。
6.
ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
7.
ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
8.
治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
9.
治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあり ます。
10.
様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
11.
歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
12.
矯正装置を誤飲する可能性があります。
13.
装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する 可能性があります。
14.
装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
15.
装置が外れた後の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物) などをやりなおす可能性があります。
16.
あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
17.
治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になる ことがあります。
18.
矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。